四国八十八箇所２

　四国八十八箇所に魅せられ、３６番まで歩いてから、必ずいつか続きをと思いながら６年が経過してしまった。四国から帰り、保険会社に入社。懸命に勉強し新しい道を歩んでいたものの、改めて政治の世界の誘惑に駆られ、腹の底から沸々と湧き上がるものを感じ市議会議員に立候補、そして当選。保険業と議員の二つの仕事の両立。そして、結婚。４６歳にして家庭を持つ。そして夫婦で戦った２回目の選挙。ほんとにあっという間の６年間、ずいぶんと遠ざかってしまった。
　私の四国は、辛く苦しいながらも、様々な出会いあり、非日常のなかでの至福の１７日間だった。あれから毎年春を迎えるたびに四国を思い出した。次は何時いけるものかと、だんだん遠い存在になりかけていた。６年目の春を迎え、自分の置かれている環境も変わった。それでも、ほんの少し振り返る余裕もできた。そして、あの四国の続きを歩きたいとの欲求に駆られ、2度目の遍路となった。