H20.2

1２月２日　2回目の夜景
　12月となり、3日から今年最後の定例議会が開催される。
　その議案の事前説明のため、昨日の午後、全員協議会が開催された。議会に関係する委員会室などは市庁舎の4階にあるが、エレベーターを降りると大勢の見知らぬ人たちと、委員会室にはテレビカメラが数台。それに加え市民の傍聴者まで。なんとも落ち着かない雰囲気である。
　そうである。議長が経営する会社が食品偽装に絡んでいたことが1日の新聞で報道されたことによるもののようである。皆が固唾を呑んで見守る中、冒頭、議長から謝罪と事実関係の説明があり、当局の捜査が進行中であるということで、新聞に書いてあったような責任についての言及はなかった。

　それからすぐさま、本題に入ったわけだが、全員協議会本会議では聞けないような本音のヤリトリが行われる。本会議のように議員の発言に制限がないため、時には同じ話題で紛糾し延々と続くこともあるが、執行部と議員の議論は核心的な部分のヤリトリにもなる。したがって、今日傍聴に来ている市民の方々も興味を持って聞かれたのではないかと思う。。しかし、例のピアス問題に絡む予算の部分で延々と5時まで議論が続いた。そのメンバーはいつも決まったメンバーである。とうとう市民の方々も帰られてしまった。マスコミも議長の件で何か聞けるのではないかと粘っていたが、締め切りの時間なのか帰っていった。そうするうちに外は真っ暗。2回目の市役所からの夜景となってしまった次第である。

　それにしても、マスコミも市民もことの成り行きを興味を持って見守ることと思う。また、石田市制となってから4年間、市長・市長派と反市長派の議員の間で混乱してきた市議会である。それぞれの思惑はいかに。今後、成り行きによっては更なる展開、更なる混乱となるのであろうか。

1１月２８日　花時計？　草時計？
　皆さんは、柳川市役所に花時計があることをご存知であろうか。柳川庁舎の駐車場入り口脇にこんもりと植栽されているところがあるが、よく見て見るとその真ん中に確かに時計の針がある。直径２～３メートルといったところである。しかも、動いているかどうか定かでない。
　そもそも花時計というものは、時計の背景が、色とりどりの花で彩られているものである。しかし、この花時計の背景は、花ではなく剪定されてないつつじと雑草である。花時計というより草時計といったほうが良さそうである。
　この花時計がいつごろからあったのか。どうもこの柳川市役所の建物が建ったときに、誰かに寄贈してもらったものらしい。当初は、当然花に彩られきれいであったろうし、市役所を訪れる市民をはじめその前を通る人たちの目を楽しませながら、時を知らせていたに違いない。それが、草時計とは失礼であるが、時を知らせるどころか目立たない存在となってしまっている。

　この花時計のことは、昨日市民の方から指摘を受けたわけであるが、さっそく、当時のことを知ると思われる市の幹部と担当部署に連絡をした。彼らは勿論その存在は知っていた。そこで「このまま放置していいのか」と質すと、「そういう指摘をいただきありがたい。何か対応を検討する」といった返答であった。かくいう私も、何か時計のようなものがあるなとは思っていたが、そのままやり過ごしていた。市民の方からのご指摘でハタと思ったわけで、緑に埋もれた花時計をいつもの光景と不思議に思わないようになってしまっているところが、なんとも情けない限りである。
　すでに３０年以上のときが経っているとは言え、昭和５２年にドロツクドンの山車も繰り出し盛大に祝った待望の庁舎である。その庁舎に将に花を添えていた花時計である。このまま撤去ではあまりにも先輩達と花時計に申し訳ない気がする。
　市民の方から指摘されて始めて気づかされた自分を反省しつつ、来年の春、立派な花時計を見たいものである。
　
　

1１月１７日　ところ変われば
　先週、市議会の広報編集特別委員会で視察に行ってきた。広報編集特別委員会とは、昨年6月から市議会で年4回発行している「市議会だより」の編集委員会である。以前より、先進地の視察要望があったのだが、2年目となった今年予算がついたため、初の視察となったわけである。
　視察地は、佐賀県の唐津と嬉野である。唐津と嬉野というと遊び半分と思われるかもしれないが、いずれの議会だよりも歴史が古く、特に嬉野の場合は、市となる前の「嬉野町議会だより」は、何度も全国表彰を受け1位になったこともあるもので、インターネットでも見ることが出来るが、かなりレベルが高いことがわかる。そういうわけで、嬉野をメインに視察地を決めたわけである。
　我々柳川の市議会だよりは、編集委員11人にそれぞれ役割を分担してもらっている。一般質問は質問者の作成した原稿を2人一組の委員がチェックを行う。他に写真班が二人で、表紙などに掲載する写真を撮ってもらっている。また、常任委員会報告は、議会での委員長報告をそのまま掲載している。そして、他の記事の原稿は、ほとんど私が書いているが、表やグラフなどパソコンの技術を要する部分など議会事務局の担当職員にもかなり助けられている。また、例のピアスなどもめることが多いため、掲載の有無、表現、議会の尊厳に影響を与えはしないかなど、事務局ともすり合わせが必要である。ここ1年半、かなり神経を使ってきたことも事実である。
　そこで、今回の視察で私が興味があったのは、どのように掲載記事を選び、誰が原稿を書いているのかであったが、唐津も嬉野も委員数人で掲載項目を選び、担当を決め書いているという。
　特に、嬉野の場合は、委員数は6人で、その半分の3人は1年生議員。彼らが、掲載する項目を選び、記事を書いているという。驚きであった。当選してすぐの議員が、様々な事業や議案の内容、議論などの原稿を書いているという。最初は、担当課に行ったり、先輩議員に聞いたり、かなり苦労もあったようであるが、現実、彼らが記事を書いている。同時に、書くために勉強もしなくてはならないから、必然的に議員としての知識も上がり、様々な面で勉強になったということである。そういう編集委員の作業量と密度の濃さはもちろんであるが、一年生議員でもこなせるだけの編集方針と編集行程、そのシステムが確立されていることに感心してしまった次第である。
　ましてや、同席をされた議長さんが我々の「議会だより」を見られて一言、「こういう内容では、よっぽど興味のある人を除けば、ほとんどの人が読む気にもならないでしょう」。さすがにいい気分ではなかったが、他の議員がどう感じたのかは聞かなかった。
　また、柳川市議会では、会議に出席すると支払われた費用弁償は、一昨年廃止されているから、当然我々が編集作業のための会議を持っても何の報酬もない。嬉野市はというと、編集委員以外の議員が出し合って日額3000円ずつ負担しているらしい。というのも、内容が濃いため編集作業には10日ほどかかるようで、かなりの負担を強いられることから、編集委員にはなりたがらないというのが本当のところのようである。
　以上の様なことを柳川でやるとしたら、どうであろうか。あの嬉野市議会の議長の鼻を明かしてみたいものである。

1１月７日　特集記事終了？
　私たち現代に生きるものにとって、パソコンとインターネットの普及により、瞬時に多くの情報が得られるようになった。一昔前は、テレビ、新聞か雑誌くらいのものであった。それ以前は、もっぱら活字が主な媒体であった。インターネットで、知りたい言葉を入力すればたちまち関連したページにたどり着くことが出来る。本当に便利な時代になったものである。しかし、自殺サイトから殺人サイト、爆弾の造り方まで多種多様、学校の裏サイトなど当初には予想しなかった悪い展開も見せており、その功罪も様々である。
　しかし、今日の話題はインターネットではない。活字の媒体についてである。インターネットでは、都合の悪いことは瞬時に削除することが出来る。だが、新聞などの活字媒体は、一旦印刷物となってしまえば、消すことが出来ない。そういったところが存在価値なのかもしれない。
　その新聞にも、全国紙もあれば地方紙、業界紙などなど様々である。全国紙などは、その発行部数から影響力も多大である。したがって、国民を巻き込んだな論争を起こすこともあるし、訴訟問題まで発展することもある。また、報道の自由とペンの暴力の間で読者も惑わされることも少なくないと思う。また、最近の新聞は三面記事的な報道が多くなり、ワイドショー的になったと言われる。やはり、発行部数に影響するためか、となると読者がそういう傾向を好むようになってしまったのかと考えると複雑な心境である。
　地方紙は、名前の通り地域の話題が豊富である。さらに地域限定の新聞ともなると身近な話題、身近にいる人たちが登場し、地域の行事や活動も紙面に登場するから親近感を覚えるし、その時々の地域固有の問題を掘り下げた記事も読者を引きつける。そういったところが地域限定新聞の存在価値であり、真骨頂である。
　
　さて本題に入るが、わが町のご当地新聞の中のひとつに最近まで今後のまちづくりの話題が特集されていた。それが、突然終わってしまった。市の財政状況、今後の展望、今後のまちづくりの方向性など、対談も盛り込まれ、是非はともかく興味深く読ませてもらっていた。それが突然、全く違う内容に変わってしまった。その変わる前の号の文章の最後には、「次号へつづく」とあったのにである。
　こんな尻切れトンボみたいな終わり方があるのかと思ってしまう。購読料の要らない新聞であれば、その内容も編集者の勝手と言えなくもない。しかし、この特集は連載されだしてからすでに10回以上を数える。それが突然終わるということは、何か理由があるはずである。となると考えられるのは、圧力がかかるということである。
　さきほど、報道の自由とペンの暴力と書いた。報道の自由が行き過ぎればたちまち暴力と化し、牙を剥き特定の者を攻撃し人権蹂躙につながったり、損失を与えたりもする。意図的に世論をあらぬ方向に誘導したり、事案によってはすべての情報を開示してしまえば悪影響を及ぼすということもあるかもしれない。
　ジャーナリズムではないが、私の議会報告にしても、何でも書いているわけではない。読者への、市民への影響を考えながら情報を選びながら書いているつもりである。時には、内容によっては勇気を要する場合もある。要は、執筆者、、編集者の常識と良識にゆだねられるものである。
　今回の件は、ペンの暴力であったのだろうか。それを議論するつもりはないが、記事が突然終わったということは、圧力がかったと考えるのが順当ではないだろうか。圧力をかけるということは、記事によって都合の悪い人たちがいるということになる。もちろん新聞も慈善事業ではないから利益が出なくてはならない。飯の食い上げではどうしようもないのも確かである。
　しかし、他の新聞とも競争の中でこういった掘り下げた記事は、その新聞の特徴であり、存在価値であったと思っていただけに残念である。報道の自由とペンの暴力。そして「読者とスポンサーを秤にかけりゃ・・・」、どこかで聞いてような文句である。

10月2８日　白秋祭を控えた掘割
　1ヶ月も書き込みをしていなかったら、10月も終わりである。昨日あたりから、随分と冷え込んできた。去年ほどではないにしろ10月になっても暖かい日が続いていたから、急に冷え込むとことさら寒く感じる。これで、平年並みらしいが、急な気温の変化は寒がりの私にとっては堪える。
　去年は、10月11月と暖かい日が続き、全く雨が降らなかったから、11月中盤には、城堀から水が無くなってしまった。11月1日からの「白秋祭」も水の確保に関係者が苦労していたことを思い出す。
　今年は、台風も来なかったが、適度に雨が降り、おかげで満々と水をたたえる掘割が美しい。特に、朝と夕方は、水に光が反射しているからとてもきれいである。また、私の住む新外町の白秋道路があるが、街路灯の明かりに映える夜の掘割の景観は幻想的でさえある。この景観は、観光客はもとより柳川市民の皆さんもほとんどの人が見たことが無いかもしれない。
　その白秋道路沿いの掘割には、昨日あたりから提灯やら舞台やら、白秋祭の準備も整ってきた。水を湛える掘割に全国からのお客さんを乗せたどんこ船が１００艘以上繰り出す水上パレードも今週の土曜日からである。多くの人にいい思い出となることを願うと同時に、水を湛える掘割を築き、水のシステムを構築してくれた先人に改めて感謝である。
　それは、いいが去年の水不足を契機に崩れかかった水の管理システムの再構築は喫緊の課題であるとして今年の３月議会でも一般質問で取り上げた。報告がないがどう進捗しているのか、そろそろ担当課に出向かなくてはならない。

９月25日　議会報告
　９月議会も明日で終了である。今回の議会の目玉は決算審査であるが、3日間にわたってのほとんど缶詰状態での審査で、かなり疲れた。
　そして、明日の最終日を前に、昨日から議会報告の作成で、自宅に缶詰状態である。その原稿をパソコンに打ち込んでいると、議会での審議や議案の内容が思い出されて、いい復習作業でもある。
　
　私の議会報告は、このホームページでも公開しているが、印刷したものを、主に後援会の方々に読んでもらっている。平成15年4月に議員に初当選してから、年4回発行しているが、今回で２１号目となる。
　その反響も様々で、「何か送ってきてたな」、「あまりにも字数が多く読む気になれない」といったものから、「毎回来るのを楽しみにしている」、「市政のことが良くわかって参考になる」であったり、「よくもマアあんなに詳しく書けるものだと感心する」といったものまで様々である。また、ホームページを見て直接メールでの反応もある。
　手間と労力、費用もかかる議会報告であるが、良きにつけ悪しきにつけ、こういった反響こそが作成する意欲となっている。

　そして、原稿を書いていると、こういうことを書けばどういった反響あるだろうとか、ここまで書くと影響が大きいから止めとこうとか、ここまで書いてしまっては過激すぎるから止めとこうとか、そういったことを頭に思い浮かべながらの作業となる。
　そして、数字やデータなどは、市の担当課に確認することたびたびである。その時の反応も様々である。「このデータは何に使うのですか」とか「表に出さないでほしい」とか、想像通りの反応といったものもある。今回も、あえて書かないがそれなりの反応があった。私はなりふり構わない過激な議員ではないと思っている。職員の皆さん、よっぽどのことがない限り、そういうことはしないから心配御無用である。
　
　明日の本会議終了後、最終的に原稿を仕上げるのだが、新市となってからは、議会最終日に、とんでもない事案が発生し、原稿の大幅な修正を余儀なくされることも少なくない。また、混乱するということは、終了時間が午前中で終わっていた旧柳川と違い、夕方までとなることがほとんどである。それから、原稿を修正し、校正し、印刷にまわすのだが、折込と封筒詰め作業は手伝ってくれる若者達に合わせて日曜日である。議会最終日は大抵金曜日だから、印刷屋さんにも原稿待ちでヤキモキさせてしまう。本当に大変な議会最終日である。
　それでも、原稿が出来上がり、頭を下げながらも印刷屋さんに渡し、その印刷が出来上がり、封筒詰めを完了し、配布が終わったとき、充実感を感じるのも確かである。しかし、それは私独りで出来るものではなく、色んな人たちの協力によって出来上がる議会報告である。
　そして、1回１回それぞれ、様々なドラマがある。

９月１５日　奥さんの天敵
　3日から始まった9月議会であるが、先週の一般質問は、相変わらず、ピアス、旧柳川ホテルと市長を取り巻く問題が話題の中心で、4年目となる新柳川市の課題や将来に向けての議論はほとんど聞かれなかった。このページにも、その議論のことを色々と書いてきたが、最近は、ことさらこのページに書くのが何だか面倒くさくなってきた。
　そういうことで、今日は、休日の我が家の出来事を書くことにする。

　休日の今日、今週は平成19年度決算の審査があるため、決算書に目を通していると、「キャッ」という我が家の奥さんの短い悲鳴。この奥さんの悲鳴は今に始まった話ではない。結婚して最初の頃は、「キャーーー」であった。
　そうである、皆さんのご想像通り虫である。彼女にとって我が家にいる「クモ」と「ヤモリ」は天敵である。
　彼らは、彼女がこの家に住む前からいる。自分ひとりの頃、彼らを見つけると、私がどうしていたかというと、何もしない。なぜなら、彼らは餌がいるからこの家にいるのである。その餌とは、ダニや、蚊、蛾、ゴキブリなどなど人間にとって有害な虫が餌である。そういった虫が家にいるからこそ、彼らも居るのである。だから何もしない。
　しかし、彼女にその存在価値を話したところで、頭では理解できても、生理的に受け入れられないのももっともである。
　我が家の奥さんにとっての天敵ある以上、何もしないでいるわけにはいかなくなった。しかし、彼らの駆除方法を考えて見ると、どうしたらいいものか、殺虫剤くらいしか思いつかない。
　クモはゴキブリのように、新聞で叩くか、殺虫剤でこと足りるのだが、ヤモリが厄介である。すばしっこくて、家具のウラなどに逃げ込み、殺虫剤では、全く歯が立たない。ためしに、ゴキブリホイホイをアチコチ置いて見るが、2週間たってもゴキブリ1匹以外成果なし。ところが、その1週間後、そのゴキブリの脇にヤモリが一匹。やはりである。そのゴキブリを食べようと、ゴキブリホイホイに侵入したようである。何か餌がないとかからないようである。しかし、、それ以降は、成果はない。
　そして、今日の「キャッ」の後、奥さんは、インターネットで真剣に駆除方法の研究を開始し、30分ほどパソコンに向かっていたのだが、ため息をついて部屋から出てきた。画面をのぞいてみると、駆除方法のQ＆Aには、「ヤモリは家守だから、殺すのは縁起が悪い」、「家の害虫を食べてくれるから、殺さないほうが良い」とか「殺さないで、外に追いやってください」、はては「見て見ぬふりをする」などなどである。
　私は、「それ見たことか」と思いながらも、奥さんの落胆した姿を見ているとかわいそうになり、新たにゴキブリホイホイを別の場所に置いて、気を取り直させる。
　気がつくと時間は午後5時。決算書は開いたままで、ほとんど進まなかった。
　

８月３１日　代議士秘書達の裏話
　御花で、元市議の叙勲祝賀会が行われた。主賓席には、ご当人ご夫妻、市長、議長をはじめ国会議員が代理を含め２名、県議、各種団体の代表と顔をそろえ、200人を超える盛大な会であった。式典開始から乾杯まで1時間半を要したが、それ以降は皆席も入り乱れ宴会風景へと変わる。そういうなか、目立つのはやはり政治家である。首長はじめ国会議員、県議会議員、市議会議員、あちらこちらでお酌合戦である。
　まずは、県議会議員。旧山門郡、ここは前々回まで定数２で、5回にわたり同じ顔ぶれで続いたきた。お互い切磋琢磨してきた関係上、こういう場面でのあいさつ回りも堂に入っており、自然である。旧柳川市の先生は、現在まで数回の選挙があったものの、定数１で一人で独占されてこられた。合併前までは、自分一人だったろうが、切磋琢磨してこられた旧山門郡の先生もいらっしゃり比較されるからたいへんであろう。
　国会議員はというと、参議院の先生は挨拶が終わると秘書と交代。代議士先生は、いつものように奥様が代理である。挨拶もいつもながらなめらかで、宴席でもあちこち飛び回っていらっしゃる。ちょうど私の隣で歓談されていたから「たいへんですね」と声をかけると、謙遜なことをおっしゃりながらも、「口数が多いといって批判も受ける」とおっしゃる。その言葉に思い出したことがある。
　
　というのは、私が代議士秘書をしていたころ、それも最初の頃である。私のオヤジである代議士は自民党であった。当時は、中選挙区制で、この福岡3区は定数5であり、自民党の代議士は、3人とも古賀姓で、３古賀と呼ばれ、ライバル同士であった。選挙ともなると、他の党よりも自民党内同士の争いが激しかったが、参議院選挙となると、3古賀の秘書は皆選挙に借り出されたものである。お互い意識しながら選挙を戦うわけであるが、ある選挙が終わり、3古賀の秘書だけで打ち上げをすることになった。お互いライバル同士である。しかし、秘書という立場は同じであり、お互い秘書稼業の辛いところは共感を覚えるのも確かである。
　宴もたけなわになるとお互いのオヤジ、夫人にまつわる愚痴が出てくる。そうなると、普段のライバル関係はどこ吹く風、互いのオヤジ・夫人達の裏話で盛り上がる。
　そこで、あるベテラン秘書がこぼした話から、3古賀夫人にあだ名がついてしまった。ここで言っていいかどうか迷うが、「メ・・ちゃん」、「お・・」、「お・・」である。それぞれの夫人の人格をよく知る私たちにとっては、なんとも的を得ており、秘書達の宴席は大いに盛り上がったのである。
　あれから20年近く経った。その宴席にいた者は、現在一人として秘書を続けている者はいない。すでに亡くなった人もいる。黒子の世界から表舞台に出た者もいれば、堅実なサラリーマンとなった人、どこにいるのか、何をしているのかという人も。代議士と秘書達、それにまつわる世界とは、堅気な世界ではないのかもしれない。

８月２７日　ヤマメ
　今日、9月議会の議案書が届いた。その資料もかなりのボリュームである。今回は、平成19年度決算があるから、結構な時間と労力の要る議会となりそうである。日程も6日から22日までであり、その後も整理やら、議会報告作成、配布と忙しい一月となる。
　
　定例議会は、3月、6月、9月、12月の4回であるが、私にとって、3月と9月は、特別区切りの月である。というのも、大の趣味であるヤマメ釣りが解禁されるのが3月1日であり、9月30日をもって終了となるからである。
　3月は肌寒い日がまだ多いのだが、待ちに待ったワクワクした気持ちとなる季節である。しかし、議会があるから当然行くことが出来ない。
　最高なのは、5月である。釣りに限らず、行楽にはいい季節であるが、ヤマメ釣りにとっても最高の季節である。新緑の芽生えた木々と山に囲まれ、清流に身を浸し、フライロッドを振るのは、なんとも私にとって至福の時である。
　しかし、他のレジャー同様、その季節は釣り人も集中する。人の姿に敏感なヤマメは一度人が釣りあがった後は、警戒するから釣れる確立が極端に低くなる。であるから、ポイントとなる川の一帯は、先に来た者勝ちとなり、場所探しに一苦労する。したがって、私のヤマメ釣りは平日を選んで行くことにしている。
　今年の5月は、何やかやと予定が多く、結局行くことができなかった。そして、6月は梅雨で増水、7月8月は暑いから早朝のみの釣りとなってしまうから、1日中思いっきり釣りを堪能することができないため、敬遠している。そして、9月は議会となってしまう。毎年、その繰り返しで、議員となってからは、ほとんど行くことが出来ない。
　そして、8月もあと4日で終わりである。子供たちにとっても、夏休みの終了である。何だか寂しくなってくる。特に今年の夏は猛暑が続いたが、お盆以降雨が多く、急に涼しくなってきたから余計にそう感じるのかもしれない。しかし、ヤマメ釣りには涼しい気候は最高である。こう考えると、遠く傾山を望みながら緑と川に抱かれ、ロッドを振り、飛び跳ねるヤマメを吊り上げ、河畔でコーヒーを沸かし飲む光景が頭を掠める。ああ行きたい。もうたまらない。
　しかし、現実は議会の準備、保険の仕事、行事などなど、行けるはずがない。今年の私の渓流釣りのシーズンも頭の中だけで終わってしまうようである。

８月５日　恐ろしきは
　先日外務官僚が300数十日分のホテル宿泊代1583万円を請求されたというニュースが報道された。居酒屋タクシーしかり、マスコミには格好の材料である。
　しかし、常識で考えれば10日なり、1月なり宿泊代を支払わないならば、泊めないのが普通であるのに、宿泊代を支払わない人間を1年近くも宿泊させていたということ自体なんだかおかしいと感じていた。それも1年数ヶ月前のことを何故今頃と思っていた。
　その実態は、ボカシで登場していた女社長が、この外務官僚をホテルに住まわせかこっていたということが判明。なんのことはない、単なる痴情のもつれである。人騒がせもはなはだしい。
　彼は、東大卒のエリート外交官である。外交官になるには、通常の国家公務員試験ではなく、外交官試験に合格しなくてはならない。そのスマートさというか、特別視される傾向があり、この女社長も外交官ブランドが好きだったのかもしれない。この女社長と外交官との関係は６～7年前から続いていたようである。そして、ついにはホテルに住まわせ、奥さんとの離婚を迫っていたらしい。また、この女社長の人脈は各界の大物とつながり、裏社会も見え隠れしているという。この外交官も、別れるとなると逃げるしかなかったのかもしれない。
　これで彼が外務省内でどういう処遇を受けるのかわからないが、大きな汚点を残すことになる。ひょっとすると、表社会から消え去ることになるかもしれない。人生台無しである。
　もう少し女性を選ぶ目を磨いておくべきだったのか、上手な別れ方を身に着けておくべきだったのか。それにしても、恐ろしきは、・・・・・である。ご用心。ご用心。

７月30日　お盛んな選挙運動
　最近、市の南部地域に行くと、名前を書いたポスターがあちこちに張ってあるのを目にする。漁業調整委員の選挙が行われているためである。議員の選挙ポスターと違い、ほとんど手書きの手作りポスターである。中には、カラーの印刷したポスターもあるようである。前回の選挙は無投票であったらしいが、今回は2名オーバーらしい。漁業調整委員は、漁区の調整やや漁業権の認定など様々な権限を与えられている。地区の漁業者にとっては、委員のいるといないではかなり影響があるのだろう。したがって、地域の漁業者にとって必然的に熱の入ることになる。
　特定の家の周辺にやたらと車が止まっているし、人の出入りも激しい。。選挙事務所であろう。中には、赤い顔をしている人も少なくない。俗に言う「飲ませ食わせ」が行われているのかもしれない。議員の選挙でこんなことをしていると大変なことになるのだが、漁業調整委員の選挙には、公職選挙法は適用されないようである。したがって、飲ませ食わせは常識のようであるが、これが、公職選挙法の適用となる選挙に影響してくる。飲ませ食わせをしないと投票と結びつかないということになってくる。
　公職選挙法の適用される選挙でも、数十年前までは飲ませ食わせは常識であったようである。であるからして、選挙資金も今とは桁違いであっただろう。選挙のたびに田んぼが少なくなるということを聞いたことがある。
　それにしても、いくら権限のある漁業調整委員になるためとは言え、相当の選挙資金に違いない。そうまでしてと思っていると、ある漁業者が教えてくれた。選挙資金は、全額候補者個人が負担するのではなく、地区の漁協とある割合で分担となっているところもあるとのことである。そんな合理的なシステムが出来上がっているとは感心してしまった。
　議員の選挙でも、そうならないものものだろうか、などと虫のいいことを考えてしまった。明日の投票日に向け、今夜はいっそう選挙運動に熱が入るのだろう。
　

７月15日　大分教員採用試験問題
　大分県の教職員採用に関する贈収賄事件が益々拡大している。教師採用試験だけでなく、昇進人事においても贈収賄が公然と行われていたということで、教育行政を揺るがす事態となってきた。また、関係者も教育委員会はもとより、県議や国会議員、秘書も取りざたされている。
　そういう私も、以前、国会議員の秘書をしていた。国会議員の事務所には、就職の相談は山と来る。教師採用に関するものの記憶は無いが、官民問わず就職試験をはじめ、郷里への転勤といったものも少なくなかったし、国会議員の事務所の業務の一部であった。また、そういう陳情を断るという観念自体なかったし、そういったものを処理できてナンボのモンといったところであった。
　　子供の就職というものは、何時の世でも親にとっての一番の関心事である。わが子を出来るだけいいところに就職させたいのは人情である。また、世間でも、まともに試験を受けるより、伝をたどってでも誰かに頼んで有利になるほうがよいといった風潮があるのも事実である。
　