６月１４日 やながわ人物伝
先日来、地方紙でも報道されたが、「やながわ人物伝」が完成した。柳川が生んだ偉人20人の人柄やエピソードを交え、その功績、辿った足跡が記されている。小中学生全員に配られたらしいが、市販もされており、売れ行きも好調とのこと。私の知人にも既に購入している人も多数いるのもうなずけるわけである。
議員にも配布をされたわけであるが、完成した実物を手に取り、感慨深いものを感じた。というのも、誰でも徳川家康や豊臣秀吉は知っているが、立花宗茂や田中吉政といった柳川の歴史人物、偉人のことは学校では教えない。全国共通の歴史教育は当然でありながらも、自分の住む地域の成り立ち、歴史、功績のあった偉人のことも教えるべきであるというのが私の持論であり、教育関係者にも提言もしてきた。
私が言ったから作成したわけではなかろうが、実現したことは喜ばしいことである。取り上げられているのは田中吉政、立花宗茂はじめ、柳川人なら誰もが知る北原白秋、檀一男といった文化人から、名前は聞いたことがあるといった藤村作、木村緑平、初めて名前を聞く人たちも含め20人である。
数多くいる柳川の歴史人物、偉人から、この20人に絞るのも大変なことであったことも想像が付くわけであるが、編集作業も大変であったようである。そのため、発刊が1年遅れてしまったのである。
私も、早速読んでみたのだが、結構読み応えがある。大人が読んでも充分に楽しめるし、勉強にもなる。大川出身の我が家の奥さんも表紙のイラストに興味をそそられ読んだようだが、「これ面白い。柳川にこういう立派な人たちがいたなん知らなかったし、勉強になる」と好評である。知人の中には、孫が学校からもらってきたのを、我先に読んだ方もいたようである。
子供たちの評判も聞いてみたいものであるが、恐らく好評であると思うし、偉人の辿った道から、人としての生き方を学んだり、大きなな夢を持つことにもつながると思う。そして何より、柳川に対する郷土愛の醸成にも大いに貢献するものと確信した次第である。
この本を手にした子供たちも、いずれ大人となり、社会へと巣立っていく。全国各地から来た人たちと出会うとき、きっと柳川のことを誇りを持って話すことができる大人になっていることと期待したい。国際社会においては、初めて会う国の人同士、互いが自分の国のことを、相手に伝えることから始まる。そして、互いが相手の国のことを理解し、敬意を払い、尊重しあう。そこから、国際交流が始まると思う。自分の国のことを、故郷のことを相手に伝えられない人は一人前の人として評価されないと言われる。
きっと、この人物伝は誇り高き柳川人を作る原動力の一つとなってくれると思う。本書刊行の指揮を執っていただいた上村教育長に感謝と敬意を表したい。
恐らく今後、子供たち以上に多くの市民に親しまれることになると思うが、この人物伝に関する議会での一こまを紹介する。
本書を手にとり見入っていたある議員がポツリ「面白そうだが、巻末のガイドマップが柳川の中心部だけではないか。自分の地域にもこの20人に引けをとらない偉人はいるのに」とおっしゃる。この反応こそ、この人物伝発行の効果でもあると思う。この20人以外にも知りたい、知らせたい人たちは多くいるはずである。これを契機に、各地域で、いろんな場面で、人物発掘、顕彰が盛んになり、柳川の歴史文化がより深まり充実することを大いに期待する。
６月１０日 マルショク跡地
昨日に続いて、全員協議会の出来事である。
議案の説明が終了し、執行部から報告がなされた。その内容は、昨年の５月、京町商店街から撤退したスーパー「マルショク」が、柳川警察署横に新たな店舗を構える計画があるというものである。その用地は、市有地と個人所有の土地合わせて8,000㎡である。市はその払い下げを前向きに検討しているという。それはそれで良いとして、この移転の話は昨年の5月の京町からの撤退の時期に打診を受けていたということである。
このマルショクの撤退は、市議会はもとより、商店街、市民の皆さんに大きく影を落とし、大きな議論となった問題である。商店街の核店舗であるマルショクの撤退はシャッター化が進む商店街に衝撃を与え、マルショクを利用していた近隣の住民の皆さんにも不安を与えた。したがって、この問題について、私も3月の一般質問で、跡地の活用について、市が積極的姿勢で取り組むべきとしたわけだし、商店街からも、跡地の有効利用について請願が提出され、採択も受けていた。その間、前市長と執行部は、費用対効果を見極めなくてはならないであるとか、先ずは商店街の自助努力が必要などとしていたのである。
今回の資料には、マルショクは、京町の跡地について市に協力するとの文書があった。ということは、市がマルショクに、跡地のことに関し、何らかの要請をしていたということになる。ということは、市は跡地に関し何らかの活用の意向を持っていたということになる。それは、悪いことではない。市議会も、商店街も、近隣住民も希望したことであるから。
しかし、タイミングが悪い。何故今頃になって、今まで隠していたのかと、批判の声が上がった。単純に考えるとそうなってしまうが、冷静に考えてみると、隣接の民間の土地確保に影響を与えてしまう恐れがあったからかもしれない。
まだまだ、前の流れも引きずり、波乱含みである。
６月９日 条例の重み
あさってから6月定例議会が開会する。金子新市長が編成した予算など、金子市政の実質的スタートの議会である。
その開会を前に、議案の事前説明のための全員協議会が昨日開かれた。10時からの開催であったが、政治倫理条例違反が発覚し3月議会で議員辞職勧告決議がされた議員の出席をめぐり紛糾した。
この政治倫理条例違反の内容については、議会報告のページに掲載している議会報告２３号をご参照いただきたいが、この議員辞職勧告決議は、拘束力も罰則もない。したがって、本人の意思しだいである。
ご当人は、反省している。しかし、後援会と相談の上、有権者からの付託を受けた者としての責任を果たしたいという。
これに対し、一部議員から、辞職勧告をした者として、その勧告をした議員が辞めないのは納得できない。ましてや、会議に出席することを容認することはできないというものである。
この政治倫理条例は、昨年30名の議員全員の総意で作った条例である。かの議員も、当然採決に加わっていたわけであるから、議決をした一人としての責任の重みは感じているはずである。この政治倫理条例は議員のモラルを謳ったものであり、議員それぞれの良識によって成り立つものである。しかし、彼の言う多くの有権者から付託を受けた責任と権利も当然あることは事実である。しかし、今日のような紛糾する場面で、感情的となり、法的権利があると開き直ってしまえばどうしようもない。
倫理条例違反を容認できないとする主張は筋が通っている。条例違反をし、辞職勧告を受けた者の、議会出席を黙認してしまえば条例違反を受け入れたということになってしまう。そうなれば、何のための条例か、条例など要らないとなってしまう。
しかし、本人は辞めない。出席をする。法律上何の問題もないと主張して引き下がらない。これでは、どうしようもない。こうなってしまっては、いくら議論してもらちがあかない。
結果的に自主的に退席したため、落ち着いたわけだが、当人は「今日のところは」とした。ということは、あさっての開会日には出席するということなのか。またこれが繰り返されるのだろうか。この紛糾の4時間半、口々にでるのは、ピアス問題などで議会が混乱した4年間、これからはスムーズに行くかと思ったのに、また議会が混乱する。市民が見たならどう思うだろうか、どうにかしないと市議会が笑われるというものであった。そういう中、「任期満了の来年の10月まで自宅に謹慎していてくれれば」という声が聞こえた。
６月２日 昭和の遺産２
前回に続いて両開の炭鉱跡地についてである。
この跡地の中に縦坑が残っていると書いたが、今後この土地を活用するにしても、このフェンスで囲まれコンクリートで蓋をされた縦坑をどうするのか、実際に考えてみると厄介である。跡地のほぼ中央にあるから、なおさらである。
遺産として活用するだけの価値があるようには思えないし、この上に構築物を建設するとなると邪魔になるし、今後水のたまったまま放置しておいて大規模地震などに耐えうるものなのか素人ながら心配してしまう。
そこで、先日の防災演習の時に思いついたことがある。
柳川市は堀の浚渫の折に出る汚泥の処理に困っている。現在、浚渫土の仮置き場はほぼ満杯状態で、喫緊の課題である。この縦坑を浚渫土の処理に活用してみてはどうだろうかと思う。縦坑の直径は約１０ｍ、深さはわからないが、仮に１００ｍとして、５ｍ×５ｍ×３．１４×１００ｍ＝７，８５０立米となる。かなりの容積である。
思いつきのアイディアであるが、どうであろうか。
５月３１日 昭和の遺産？
清々しい季節である5月もで終わりである。
その5月の最終日の今日、柳川市の防災訓練が行われた。会場は、両開の橋本にある市の土地開発公社の所有地である。ここは、元日鉄炭鉱があったところで、数年前三井鉱山から譲り受けたものである。今は、更地となっており、４町という広さがあるが、花火フェスタの駐車場、両開のほんげんぎょう、防災訓練と、年に3回ほどしか活用されていない。
ところが、市民の方々から、この土地が運動公園になるらしいが本当かと問い合わせを受けるようになった。本当だろうか。金子市長のマニフェストにも総合運動公園が記されていた。その建設には、土地購入、建設費と莫大な費用を要する。ここは、市の所有であるから、その候補地の一つかもしれない。いずれにしても、この土地の活用策は今後の課題である。
冒頭書いたとおり、ここは日鉄炭鉱であった。
私が物心ついたころは、既に閉山しており、敷地は柵で囲まれていた。敷地内には、掘り出したボタの小高い丘あり、様々な機械があちこちに散乱しており、子供たちの格好の遊び場所であり、バリケードをくぐり抜け、私も地域の子供たちとよく遊んだものである。
その中央には、直径１０ｍくらいの縦坑がそのまま残っており、屋根がつけられていたものの、縁のコンクリートから身を乗り出して中を覗くと、まっすぐ地中に掘り下げられた縦坑には水がたまり、その水は透き通っているが、果てしなく深く、真っ青な色をしており、吸い込まれそうな、落ちていくような感じがして、恐怖感を覚えたことを思い出す。その縦坑も、今ではコンクリートで蓋をされ、周りはフェンスで囲まれている。
そもそも、この土地を三井鉱山が何故柳川市に譲渡することになったのか。
戦後の日本の復興、そのエネルギーを支えたのは石炭であった。筑豊、三池をはじめとする日本全国にある炭鉱は、近代日本の産業の発展を支えてきた。その炭鉱城下町は、それを支える労働者が各地から集まり、大層な賑わいを見せていたらしい。それが、工業を支えるエネルギーが石炭から石油へと推移していく中、石炭産業はもとより、それを抱える地域の没落が始まったのである。
この橋本にある炭鉱は、産炭地では後発の炭鉱である。既に、その衰退が見え始めていたころである。それと、この炭鉱は、掘った穴から水が湧出し、その対策が大変であったらしいく、ついに掘削を断念することになったようである。それが、現在更地になっているこの炭鉱跡である。
大牟田をはじめとする炭鉱は、地中深く穴を掘り、石炭の掘削を続けてきた。それも、有明海の下を掘り進めたのである。結果、有明海の下には、縦横に、上下に、把握できないほどの坑道が掘られ、まるで蟻の巣のような坑道が有明海の下に構成されるにいたったのである。その歴史は古いから、数十年以上も前に見捨てられたものは、落盤が起こる。ということは、その地上である海底も同時に陥没する。それが度重なり、有明海が、あちこちで陥没が頻繁に起こるようになり、漁業者が炭鉱側へその原因究明と被害の補償を求めることになったのである。
しかし、炭鉱側はあくまでも炭鉱による海底陥没を否定し続けたが、結果的にそれを認めることになったのである。
ぃかし、海側同様、陸地でも原因不明の地盤沈下が続いていた。関係者は、海側同様、炭鉱掘削によるものと、原因究明と補償を求めたわけであるが、、結果的に、陸地については認めなかったわけである。
しかし、関係者が納得するはずもなく、最終的に訴訟ということになった。原告は、柳川市長を始め、住民７００人以上からなる原告団であった。炭鉱被害の補償は、土地の嵩上げ、傾いた家屋の補修、道路の嵩上げなどなど莫大な支出を余儀なくされる。訴えられた三井鉱山も、全国各地で閉鎖した炭鉱の残務処理で相当の負担を強いられている状況下でのことである。学者による調査でも、原因は特定されなかったことから、責任はないとした。
そういった紆余曲折のなか、仲介者が現れた。その仲介者の提案は、訴訟取り下げであり、その見返りに、その炭鉱跡地で温泉を掘削したうえ、無償で譲渡するというものであった。
住民側は、長引くであろう訴訟に、その熱意も薄れかけていた中での提案である。提案者の意向を受けた者が中心となり、ほとんどの住民が受け入れることとなった。その象徴が、柳川市の訴訟取り下げである。
これは、当時の議会にも報告され、議論となった。この提案を受け入れれば、永久に補償請求をすることができない。地盤沈下によって、両開地区西南部は梅雨時期になるとすぐに冠水するようになった。水を嫌うイチゴなどの園芸作物も大きな被害を受けた。住宅も浸水するようになった。強制排水施設が作られ、嵩上げも行われた。相当な被害である。炭鉱との因果関係は立証されていない。しかしながら、三池炭鉱閉山後、坑道には水が注入され閉鎖された。そうすると、地盤沈下地域の一部で隆起がはじまったところもある。
これまで受けた被害と今後への影響、その責任の所在が明らかにならないまま、土地の無償譲渡と温泉というエサを与えられただけで、一切の権利を放棄するということを、時の市長が決断をしたわけである。なんとも納得のいかないことであった。時の与党議員ほとんどが、賛成していた。結果的に市長は判子をついたのである。その直後、ある会が開かれた。私は出席しなかったが、その大物仲介者は、取り下げに同意してくれたことに礼を言ったという。
それから、現在に至り、土地は市のものになった。無償ではなく、形ばかりの購入費が支払われた。温泉掘削も行われ、温泉が出るには出たが、県への事前申請をしていなかったため、蓋をされ、使えなくなってしまっている。
そして、当時の市長は、合併後の選挙で敗れ、石田市政となり、この土地の活用策は棚上げとなった。そして、今回、市長も石田氏から金子氏へと変わった。この土地の有効な活用策が打ち出されるのか。あの時の仲介者と関係者、現在も現役である。さて、どうなるのだろうか。
５月１７日 悩ましい天気
先週から今週にかけて、柳川市内の各地区で、小学校や公民館の運動会が行われた。先週の日曜日は絶好の運動会日和で、それは賑ったことだろう。
今日も、多くの地区で計画されていた。お天気はと言うと、早朝は曇りであったが、8時ころから雨となった。最初から中止となったところもあったようだが、決行したところも少なくなかったようである。
もちろんのこと、運動会は雨の中ぬかるんだグランドではできない。晴れか、雨かはっきりとした天気ならいいのだが、降るのか降らないのか中途半端が一番困るのである。
今朝の空模様と天気予報は、なんとも開催するのか中止するのか判断が難しい状況であった。なるほど、降水確率は９０％となっていたが、午後からは晴れの予報。地域の人たちに開会を知らせる花火の打ち上げ時間は午前7時である。私も午前6時前には起床したのだが、空を眺めると低い雲が垂れ込めているが、雨は降っていない。インターネットで、雨雲の動きを見てみても、長崎の五島列島付近で、雨雲が発生し、西に向かうものの、ことごとく多良岳のあたりで消滅していく。このままだと、あまり降らないのではないかとも思われるし、なんとも悩ましい天気である。
そして、7時前、隣の地区で花火が上がる。そして、7時。城内地区の花火が上がり、近隣の地区でも次々と花火が打ち上げられる。恐らく、連絡を取り合っていたのかもしれない。
この運動会、特に小学校と地域合同のものとなると、小学校や地域にとっての一大イベントである。競技種目の選定から、プログラム作りから始まり、子供たちは演目の予行演習、公民館関係者は地域からの選手集めと、ここにいたるまでは様々な人たちのご苦労がある。
そして、前日になると運動場の整備、テントの設営や道具の準備など大変である。
同時に、子供たちのいる家庭では、お弁当の準備、地域でもお弁当の手配。そういう大勢の人たちが運動会というイベントのためにそれぞれ見えないところで気を使い忙しい思いをされている。それもこれも、子供たちの張り切って走る姿を見たいがため、日ごろ連携の薄い人たちが一緒になって力を合わせる数少ない機会である。運動会は老若男女が集い、競技に演目に出場し汗を流し、声援を送り、熱くなり、腹を抱えて笑ったりと地域が一つになれるイベントである。
話は戻り、8時半の開始前から雨が降り出した。その雨の中、関係者が準備に忙しく動き回っている。子供たちも勢ぞろい、地域の人たちも集まってきた。
そして、小雨の中開会。地面も濡れだしてきた。プログラムも大きく変更せざるを得ないようで、いきなり高学年による「組み体操」から始まる。組み体操といえば、四つんばいになったり、寝そべったり、いろんな体勢をとらなければならない。雨が本降りとなってきた。雨にぬれながら、体操服にも泥が付くようになってきた。そういう中でも健気に一生懸命演技する姿はいじらしい。「もうこれくらいで」と過保護な親のような心境になってしまう。家族の人たちはカメラ、ビデオを手にその演技に見入っている。相変わらず雨が降りしきる中、二つの演目をこなし、全生徒が一通り演技を終えたところで、中断。そして、関係者が協議のうえ中止が発表された。
その間、「こうなることはわかっていたのだから、最初から中止すべきであった」、「新型インフルエンザが流行しているのに」、「運動場に撒く砂を手配しよう」、「雨の中での運動会は、まず経験できないから、記憶に残るだろう」とか、あちらこちらで様々な会話が交わされていた。「こどもたちが風邪をひいたらどうするのか」と、関係者に噛みつく人もいた。
こうなることはわかっていたのかもしれないし、さほどの雨とならず午後には晴れ上がったのかもしれない。そういう状況のもと、全員が納得する決断を下すというのは無理な話である。どちらが被害が少ないかで判断するしかないのかもしれない。無難な判断というやつである。
しかし、考えてみると、ほとんどの学校や地区で、決行されていたということは、どこでもこの城内と同じ光景が見られたのだろうか。昨今、気象衛星や技術の発達で、天気予報の精度もきめ細やかさも格段の進歩であるが、それでもお天気予報士が、その的中率で非難を受けたり、泣き笑いしているのには変わりない。お天気ばかりはどうしようもないのである。まさに天任せである。
４月２７日 春を満喫
今年は、例年以上に早い春の訪れだった。
春を感じるものは人それぞれであるが、私の場合は、桜の開花である。もちろん、桜と言えば春の代名詞であり、日本の象徴でもある。
私も桜の花は好きだし、花見も楽しみであるが、それ以上に私にとって、桜の開花は、春の喜びを告げるシグナルである。何故なら、桜の開花と同時に、山菜の季節到来だからである。
今年は、3月15日と桜の開花宣言が例年よりかなり早かった。その一報に、もう胸はときめいて、気持ちはもう山に行っている。しかし、議会中でもあったし、議会報告づくり、市議会だよりの編集、そして市長選挙と、なんとも私を山に行かせないよう仕組まれているようである。
そんな忙しなさが落ち着いて、やっとのことで山菜採りに出かけた。まずターゲットはタラの芽である。タラの芽は、いかに芽が開きかけたものを人より先に採るかにかかっている。それとタラの木はありふれているわけではないから、とにかく時間と人との勝負である。案の定、いつものポイントは既に、取られているか、開きすぎで、ことごとくだめであった。そんな中でも、人の見逃したやつなどを確保する。トゲのある幹から若芽が開いたどっしりとした様は、まさに山菜の王である。天ぷらで食べるほの苦い味と食感はなんともたまらない。
しかし最近気になることがある。というのも、ここのところ中高年のトレッキングや山菜採りがブームらしい。山菜と言えば、ワラビやゼンマイが定番であるが、タラが人気とのこと。このタラの木というのは、まっすぐ伸びた幹の先端から1番芽を出し、次に脇から2番芽をだす。私たちは、1番芽を摘んだ木の場合、2番芽が出ていても摘まない。なぜなら、すべての芽を摘んでしまうと、枯れてしまうからである。
ところが、最近2番芽まで摘んでいるのが目立つ。案の定、次の年にはその木は枯れている。それどころか、芽の出ている少し下の幹の部分から切り取っているのも目立つ。当然これも枯れてしまう。なぜ、こんなことをするのかというと、最近スーパーでも栽培物のタラの芽が売られている。そうである。芽のついた木を切り取って栽培するためである。自然に生えている木である。私もその恵みをいただいているから、文句は言えないが、最低限のマナーは守って欲しいものである。
しかしである。私のターゲットはタラだけではない。天ぷらで美味しい山菜は他にもあるのである。そんなターゲットは、タラの木の近くにあっても、誰も摘んでいない。そう、誰も知らないらしい。そんなときは、なんとも優越感と言うか、「イッヒッヒ」という気分となってしまう。
今年は出遅れたため、悔しい思いをしながら山中を駆け回る破目になってしまったが、新たなポイントを発見し、その度に「イッヒッヒ」も多い春となった次第である。
そんな収穫は、家族で楽しむより、仲間や知り合いとワイワイやりながらいただくのが格別である。今年は、より多くの人に楽しんでいただいた。初めてという人たちも大いに喜んでくれた。ガソリン代など何のそのである。
そして昨日は、シーズン最後の山菜採りである。そこは柳川から百数十キロ。ヤマメの釣れる深山幽谷の川である。今シーズン最初のヤマメ釣りでもあるが、もうひとつの目的は「わさび」である。
昨日は寒の戻りで寒かった。当地は、気温11度、水温11度、こんな条件では、フライでのヤマメ釣りは厳しい。もう目的は「わさび」だけである。ここに来るのは数年ぶりだから景色が変わっており、川から見上げる崖の上にあるワサビの群生地を見つけるのには苦労したが、収穫できた。
長くなるが、今回のワサビ採りでの出来事を紹介する。
今回は、最近私の影響でフライ釣りを始めた友人と一緒に行ったのだが、彼もアウトドアが大好きで、顔の広い彼は何かにつけ、私の言ったことを人に話をしているらしい。当然、わさびのことも話をしたらしい。ということは、このポイントを、人に教えてしまう危険性があった。しかし、そんな心配は無用であった。
まず、現地に到着し、川へ降りられるところまで幅50ｃｍくらいの崖の上の道を延々と歩く、そして５０ｍほど下の川へ降りるのにも崖を木に掴まりながら滑り落ちる。そして、ワサビのある崖の上に登るのに命がけ、ワサビを採る間も足が震えていたらしい。命がけとは大げさである。ヤマメ釣りでは、滝や淵に出くわしたとき、迂回するため山超えはよくあることだが、彼にとっては、初めての経験で、相当恐かったらしい。
それでも帰り道、心配になり、彼に「この場所は誰にも教えないように」と念を押すと、「こんなところには誰も来ません。佐々木さんのは、アウトドアではなくサバイバルです」。思わず笑ってしまった。しかし、アウトドア好きの彼は、清流に浸り、春の山を満喫し、「来て良かった」と言ってくれた。
これで、春のイベント終了。今年も満喫させていただいた。山の神に感謝である。
４月２１日 しっかり中学生
昨日、中学生が我が家にやってきた。我が家にやってくるのは、近所の人か、後援会関係者、行政・政治関係がほとんどで、中学生が目的を持ってきたのは、初めてである。
というのも、先日、ある会合でお会いした彼のお母さんから、依頼を受けたわけあるが、彼女の息子は中学3年生で、中高一貫校に通っており、入学試験が無い代わりに、卒論を書かなくてはならないらしい。彼の選んだテーマは、「柳川の掘割」についてらしく、自分でも色々と勉強しているようだが、私にインタビューしたいということである。柳川の掘割の歴史と今後の取り組みについては、私もそれなりに勉強しているつもりだし、市議会議員としての自負もあるつもりだが、もっと詳しい人もいるのにとも思う。しかし、そういう依頼を受けて悪い気分であるはずも無く、私で良ければと、快く引き受けたわけである。
約束の時間は、夜の8時。私の家の所在は、わかりづらいから、外に出て彼が来るのを待つ。なんだか、憧れの人を待つようで、妙に落ち着かない。小雨が降る中、彼が到着。座敷に案内する。資料を持って座敷に行くと、私が来るのを立って待っていた。ちゃんとしているではないか。彼の顔を見ると、なんともかわいらしい。しかし、しっかりとして、知性も兼ね備えた顔である。
さっそく、彼はノートを広げ、質問を用意してきているようで、インタービュー開始である。
彼の質問に答えながらも、掘割の成り立ちや、役割、歴史など、一方的に話をしていく。緊張しているのか、無口な彼は、頷きながらじっと私の話を聞いてくれた。柳川の掘割は、私が説明するまでもなく、2,000年の歳月をかけて、先人が創り上げてくれたもので、その水利システムをはじめ、その機能は科学が発達した現代においても、専門家も唸るところである。それを見捨てようとした時代があったことも事実だが、その重要性に気づき、もう一度掘割を取り戻そうと、市民を上げてその復活に取り組んだ。そんなことを話していると、合間には、小さな声で、「すごい」と反応してくれる。その言葉に、調子にのって口角泡とまではいかないが、自分の自慢話のように調子に乗って薀蓄をたれてしまった次第である。
合併前の旧柳川市は、「水憲法」を制定して、小学校の子供たちにも、掘割と水の教育を行っていた。「柳川掘割物語」も視聴させていたようであるし、その経験がしっかりと彼の中に植えつけられていたようである。卒論を書くことになり、小学校時代に掘割の学習をした経験、幼い中にも感動があったのかもしれない。改めて、自分が生まれ育った街の掘割について知りたいと、純粋に思ったようである。
子供の教育こそ、国家100年の礎である。課目教科の学習は勿論であり、学力の向上が重要であることは間違いないが、同時に、自分の住む地域の歴史を知り、そこから人としてのあり方を学ぶことも重要であると思う。自分の生まれ育った故郷に対する愛着は誰しもが覚えるものであるが、その成り立ち、それを創り上げるてくれた先人の苦労。その先人に感謝し、そこに生まれ育ったことに誇りを覚える。そして、身近な自分を育んでくれる両親、家族を始め地域に感謝を覚える時がくる。家族愛、郷土愛へとつながっていくのだと思う。そしていつか、その家族、郷土、社会に貢献したいと考えることが出来る人が育まれるのではないだろうか。水憲法を制定し、学校教育に取り入れた柳川市関係者の皆さん、ちゃんと芽が出てますよと申し上げたい。
彼は、私の一方的な話にも、約1時間、付き合ってくれた。私の話がどれだけ、彼の役に立ったかわからないが、、彼は、そういう中にも、柳川の掘割のことを理解していた。「結局、掘割と人とのつながり、人が関わっていかなくてはならないのですね。」この言葉だけで充分である。
そして、彼は帰っていったのだが、その後、我が家の奥さんと、彼のしっかりとした態度、それを自分や私たちの周りにいる同年代の子供に置き換えてみた。「中学生で、初めて会う人の所へ、一人で訪問するなど、まず出来ない」、「こういうテーマには思いがつかない」などなど、私たちは彼に比べれば以前の世界で、やはり凡人である。
４月１３日 チェンジ
市長選挙の結果が出た。
市民の出した答えは、石田市政にノーで、金子氏のキャッチフレーズではないが、チェンジであった。
前回の市長選挙では、石田氏は相手候補に３０００票の差をつけたが、今回は、５０００票の差をつけられた。この票数が示すものは、皆さんの分析に任せるとして、気になるのは、投票率が前回より２％低かったことである。
これまで、続いてきた混乱と対立、その対立軸の柱が姿を消した。これからの、柳川市の前を向いた展開と、前向きの議論を期待する次第である。
３月の議会報告に書いたように、理想的な市長というのはいないかもしれない、しかし、金子市長におかれては、これまでの４年間を取り戻せるようしっかりと市と市民、そして将来の子供たちのためにがんばっていただきたい。そして、首長としての立場をしっかりと認識していただき、独善的であってはならないし、迎合主義に陥らないよう、しっかりと見守りたい。
４月１日 本番ムード
今年は、例年になく暖かくなるのが早かったため、桜の開花も3月中旬と記録的な早さであった。
ここのところの花冷えのお陰で、満開の桜が続いている。
そして、今日は4月1日、新年度の始まりであり、新柳川市にとって5年目を迎えたわけである。そんな中、3月議会も3月16日で終わり、いま「市議会だより」の編集作業の最中である。その編集委員会は、週に1回～2回のペースで開かれ、委員が顔を揃える。昨年の12月議会から、市議会本来の業務以外で、色んな出来事があった。今回の議会だよりの内容も盛りだくさん、どの話題をどういう表現で市民の皆さんに伝えればいいのか、悩ましい日々が続く。
そんな編集委員会の休憩時間、市長選の話題が中心である。ほとんどの議員が新人を支援している。お互い毎日のようにその事務所で顔を合わせているようである。そういう会話のなか、頻繁にまかれているビラが話題となる。それも、中傷の類ようである。なんとも、選挙まで大和町方式となってきたのかと思ってしまう。
そんななか、今日会った知人が、巷では私がどっちを支援しているのかが話題になっていたと話しをしてくれた。世間で私の名前が出るとはありがたいことだが、中身を聞いて見ると、私自身にも身に覚えがないことがまことしやかに話されているようである。巷に流れる噂の本質を見たような気がした。それもこれも、世間でも市長選の話題がささやかれ、いよいよ選挙ムードになってきたということかもしれない。
ところで、先週、青年会議所の主催で、市長選のマニフェスト検証大会があった。会場となった市民会館は、4年前同様、立ち見の出る盛況であった。主人公二人の優劣、是非を書くつもりはないが、その評価は様々のようである。
特に、どちらにも態度を決めていない人の反応が面白い。
「市長が、議会の質問にまともに答えない、話をそらすという話を聞いていたが、その意味がわかった。」
「現職のほうは、原稿を見ないで話をしていたのに、新人は原稿ばかり見ていた。」
「相手の主張に対する反論の機会に、新人は何故何も言わないのか」
反対に、「あの現職には、敢えて反論をしないのが正解。」と素人、玄人入り混じり、様々である。
いよいよ、4日後には、今後4年間の柳川市の舵取り役を決める選挙戦がスタートする。
３月１５日 どこ吹く風
明日で3月議会も終了である。石田市長任期の最後の議会である。
今日は、昨日までの寒の戻りから、春の陽気となり、雲ひとつない快晴である。どこかに出かけたい気分である。柳川でも、お雛様祭りが行われており、今日は、そのメインイベントのひとつであるお雛様水上パレードが行われる。我が家の奥さんは、「さげもんめぐり」の会場となっている武家屋敷の「十時邸」の展示のお手伝いに出かけていった。
私はというと、明日の議会終了を前に、昨日、今日と、部屋に缶詰めで議会報告の原稿を作成中である。
原稿をパソコンに打ち込んでいると、この4年間のことが色々と思い出される。本当に疲れる4年間だった。市長も職員の皆さんも、特に言い分は違っても議員も全員がそんな気分ではなかろうか。
ことさらここで、それぞれの問題を列挙して、その是非を論じるつもりはないが、いずれにしても4年間が終わり、4月12日以降、次の4年間が始まる。どんな4年間になるのであろうか、しかし、課題解決と明日の姿作りは待ったなしである。皆が手を携えることがまず重要である。
そんなことを考えながら、市議会で感じるストレスと、この4年間を思い出し、原稿作りでパソコンと格闘していたら、夕方5時のサイレンである。十時邸の手伝いに行っていた奥さんもご帰還である。
今日は、十時邸の前の掘割にも水上パレードを見物する人が大勢いたそうであるし、十時邸の入場者も300人を超え、新記録達成であったらしい。入れ替わり立ち代り、九州内はもとより、東京からのお客さんもいて、さげもん作りの体験コーナーも好評だったらしく、大盛況で、お手伝いの人たちもお昼ご飯をゆっくり食べる暇もないくらいだったらしい。
そう言えば、奥さんは弁当は持っていかなかったはずである。家から歩いて1分の所だから、てっきり食べに帰ってくると思っていた。どうしたのかと聞くと、手伝いに来ていた奥様方は全員が弁当持参であったらしい。その奥様方は、婦人会の方々である。我が家の奥さんにとっては母親くらいの年齢の方々である。皆「私の作ったこのおかずは美味しいから食べなさい」と皆が勧めてくれたと言う。けなげに働いていたからなのか、厚かましかったのか、ちゃっかり奥様方のお弁当をおよばれしたらいい。そして、お土産品の会計を一手に任され、皆助かったと労われたと言う。行く前は、母親くらいの奥様達と一日過ごさなくてはならないから、どうしたものかと悩んでいた姿はどこ吹く風である。
そんな話を聞いていると、市議会での憂さも、議会報告の作成の悩ましさも忘れさせてくれた。
２月２５日 火中の栗？
昨日から3月定例議会が開会した。
今回の議会に提案されている議案の上程に先立ち、先だって柳川市政治倫理条例に違反していることが報道されていた議員が議会運営委員会の委員を辞職したため、その後任に私が指名を受けた。
この件は、昨日に先立ち一昨日に打診を受けたわけだが、こういう状況のなかでの議会運営委員になるのはどうかとも思ったが、要請された以上断る理由もなく引き受けることにしたわけだが、その経緯については、色々とあったわけで、いつか機会があれば書きたいと思う。
ところで、本論である政治倫理条例違反に関し、反市長派議員から議員辞職勧告決議案が提出された。これは、事実関係として、議員の2親等以内の者が社長を務める会社が、市の発注工事を受注したことであるが、そもそも政治倫理条例に違反することは発注以前の業者指名の審査の段階でわかるわけであり、担当部局のミスも見逃すことはできないだろう。
しかし昨日の段階では、この条例違反を、議会がどう判断するのかが問われる辞職決議案である。市長派議員の判断が注目されたわけであるが、結果として、２９人中２８人が賛成で可決された（私が確認したところ）。あの1月30日の前議長の議員辞職勧告決議案は、反市長派は全員が反対し上程が否決されたのに対し対照的な結果であった。
そして、今日ある市民とお会いしたときにこの話題になった。彼曰く「反市長派と違い、市長派議員は冷たいのー」であった。
話はさかのぼり、議会運営委員に指名された後、同じ議会運営委員が私に「おめでとうございます」とおっしゃるから、「おりがとうございます」と応えた。常任委員会の委員というのは、そんな「おめでとうございます」と言われるような立場なのだろうか。確かに、その構成は、副議長と常任委員会の委員長が主なメンバーである。しかし、なんとも微妙な心境である。
そんな中、休憩時間中に議長が私に「火中の栗を拾うようなことだなー」とおっしゃるから、私は彼に「私どころか、あなたがまさしくそうでしょう」と、窓際に二人座って会話をしたことであった。
２月２0日 嘘ばかり？
前回、議会だよりの外部委託の件を書いた。我が柳川市議会だよりのことも書いた。いいものが出来たとも書いた。
ところが、昨日、ある議員が、石田市長の事務所開きで、挨拶に立った一人が「柳川市議会だよりは嘘が書いてあると発言した。これは問題だ」とおっしゃる。
それに対し、私は「よかやっかんも」と返事をしたわけであるが、彼は、拍子抜けのようであった。
しかしである。その場に同席していた別の議員が「市民の発言どおり嘘ばかりである」と言う。これは問題である。
なぜなら、市民の皆さんは、私たち政治家、議会の活動に対し、それぞれ色んなご意見を持たれるのは自由であるし、それが誤解であったとしても、まずはそれを受け止めなくてはならないと思う。
そもそもこの議会だよりは、30人の議員全員が全会一致で発行を決めたものであるし、その編集内容についても我々編集委員に一任されている。その編集委員は、自薦他薦で選ばれ承認され、その構成は反市長派が多いものの、市長派議員も参加している。
そして、このページで何度も述べてきたように、対立の続く状況の中、それぞれの意見を公平に伝えてきたし、そのためには、編集作業の中で紆余曲折ありながらも、その是非はともかく、議会であったこと事実を忠実に書いていると思っている。
でありながら、自分の一般質問の原稿に有りもしなかったような発言を織り交ぜたり、原稿そのものを提出しなかったりする。そんな議員から言われる筋合いはない。
自分が得手勝手なルール違反をしておいて、何をかいわんやである。
同時に、市民の発言の舞台となった事務所開きの主人公である石田市長の見解も聞いてみたいものである。
２月５日 外部委託
今日の西日本新聞に、隣町の市議会が発行している「議会だより」を外部委託という記事が出ていた。近隣の市議会の状況も、同時に掲載されていたが、久留米市を除いてほとんどが市議会議員で編集しているようである。
我々の柳川市議会の議会だよりは、一昨年に創刊したわけであるが、議員で広報編集委員会を立ち上げ、編集作業を行っている。その内容については、当初、他の市町村のものを参考にしたが、どこの議会だよりも似たり寄ったりである。審議された議案の内容、常任委員会の付託事項、一般質問といった内容である。
新聞報道によると、議会だよりの内容が偏っているため、一部に不満が出ているとあった。どこの議会でも、すべての議員の主義主張が一緒であるということは有り得ないし、違って当然である。そこを、その違いをいかにバランスよく報道するのかが、大事であり、苦労するところである。
わが柳川市議会も、例に違わず意見が分かれる。別れるというより、執行部に賛成か、反対かで真っ二つであることがほとんどである。そのため、感情的な議論となることもしばしばである。それを、どちらの意見も取り入れ、公平に掲載している。しかし、そこまで行くには、編集作業の中でも様々な意見あり、紆余曲折の連続であることも事実である。しかし、最終的には、公平性が保たれるというのは、それぞれの委員が客観的に見る目を持っているからだと思っている。
そして、今回の２月１日号からは、昨年のこのページに書いたように、内容を相当いじった。いじったというより、改善した。そのためには、私がほとんど書いていた審議内容を、小委員会を立ち上げ、そのメンバーにも担当してもらうことにした。それを、小委員会で、すったもんだ議論するのである。時間も労力も要する作業であるが、最終的には、レイアウトも含め、いいものが出来上がってと思っている。
そして、出来上がったものを手にしたときの、編集委員会の議員それぞれも満足であったと思うし、さらに改善するための意見も出てくるようになった。そして、今後は、議会活動が活発になるような工夫もしていきたいと思う。
そういった意味で、外部委託というのは、議員にかかる労力も、時間もいらなくなるが、金は余計にかかり、議会事務局への負担も大きくなることであろう。更に、真に議会としての意思というものが伝わるのか疑問である。偏りのないことは勿論であるが、そうなるための苦労を避けていては、議会だより以前の議会としての姿勢が問われるのではないかと思う。
２月２日
議員以前
先日の前議長の議員辞職決議案に対する、市民、マスコミの関心は相当なものであった。
発端となった殴打事件以降、連日のようにテレビで報道され、インターネットの掲示板もこの件で賑わいを見せる状況であった。
そして、議会翌日の新聞には、賛成、反対の議員の名前まで公表された。私のところにも、市民の皆さんから多くの意見が寄せられた。
私は、自分の信義に基づいて行動したわけであるが、昨日のある会で、ある議員が私に「辞職勧告決議案の上程に、なぜ賛成したのか」とのたまう。
賛成するのか、反対するのか、それぞれの議員の判断である。その判断に対し、市民ならいざ知らず、他の議員がとやかく言う世界ではない。まったくナンセンスである。「自分達の言うことを聞かないなと、・・・」という行為をする人間が存在する。
暴力、力といっても、金の力、腕力、威圧と色々である。暴力を許さない。暴力に屈しないという条例に賛成し、決議までした人間が舌の根も乾かないうちに、自らこういうことをする。そういう矛盾などなんとも思っていないのであろう。まったくあきれるばかりである。
こういうことに従う人間がいるから、こういう輩が存在するのである。
１月26日 定額給付金
ここのところ、風邪が大流行である。
私の周りでも、風邪でダウンする人が続出している。我が家の奥さんの勤め先でも、同様であるらしい。
そういう私はというと、昨年11月に熱を出して以来、なんともなかった。あれで免疫が出来たのかなと思っていたところ、突然やってきた。先週の水曜日夜の新年会明けの木曜日、朝起きると寒気がする。そのまま熱が出だし、ダウン。病院で薬をもらってきたのだが、熱の上下の繰り返し、熱に弱い私は、これでほぼグロッキー状態。それが、日曜日まで続いた次第である。なんとも、大変な1週間であった。
その1週間は、アメリカのオバマ大統領の就任式があり、連日その報道が続いた。その論調には、希望と期待感が現われていたように思う。それとは対照的に、日本の国会の状況も伝えていた。支持率が過去最低の麻生内閣。消費税、定額給付金などなど、話題に事欠かない。なんとも対極を成すような状況である。そして、わが故郷に目を向けると、前回書いたようなことで、同様に対照的状況である。しかし、そういうオバマアメリカもこれからが真価を問われることになることは言うまでもない。
ところで、その定額給付金、今日のテレビでも地方自治体の対応、その苦悩振りが報道されていた。それは、そうであろう。ただでさえ、年度末で忙しい中、大変な事務量と市民との対応が求められるこの制度、ましてや、国会の状況から、給付開始が決まっていないときている。
柳川市の人口は、約7万３千人である。この定額給付金は、まず市から対象となる市民に申請書を送る。それを受け取った市民は、受給者の確認資料などを添え、市へ返送する。そして、市はその内容を確認し、振込み手続き、または、窓口での給付。多くの人員を要する大変な作業である。
この定額給付金の総額は2兆円である。柳川市に交付されるのが、約11億円。すごい金額である。「これだけの金があれば、もっと他の使い道があるだろうという」とテレビでのインタビューに答える人たちの声にもっともだと思ってしまう。11億円あれば、遅れている小中学校の校舎建て替えや耐震工事がいくつできるであろう。遅れている道路改修や護岸工事がどれだけ出来るであろう。
更に、国の２次補正予算の景気刺激策のひとつである地方の活性化交付金、柳川市への配分は3億5千万円だそうである。これはひも付きではないが、何でも使えるというものではないらしい。雇用対策や、景気刺激などという名目があるようである。「こんなの、急に言われても、こんな地方都市で何に使えというのか」、「使い切らないと、せっかくの交付金、なぜ全部使わなかったのかと議会や市民から非難されそう」と心配する担当者の声が聞こえてきそうである。
そんなこと以前に、何より、仕事が減り、運転資金が足りない中小企業、社員に給料が払えない企業、また、職を失ったり賃金カットされたことにより住宅ローンや子供の教育ローンが払えなくなったり、健康保険税や医療費が払えなくなったりと、本当に困っているそういった企業や人たちを救済する緊急避難措置的政策がまず必要であり、そして、その上での景気刺激策であろうと思う。
といいつつ、この定額給付金。支給されれば、どうするか。辞退すればなどど格好つけのことを妄想しつつも、高額所得者ではないからいただくつもりである。我々夫婦二人で、2万4千円。おそらく知らぬうちに消えていたということになりそうである。
１月16日 波乱の幕開け
昨日、議長が辞職する記者会見がテレビで一斉に映し出され、今日の朝刊でも各紙が報道していた。
互いに記憶が無いくらい酒に酔っていた状況のこととは言え、他人に怪我をさせたということは事実である。被害者が、被害届を取り下げたため、立件とはならないようである。
この件に関し、市民の反応がテレビで映し出されていた。私にも電話やメールで様々なご意見が寄せられた。そのほとんどが「議員も辞職すべき」というものであるが、「議員辞職までしてしまうと、市議会のバランスが崩れ、いっそう混乱するのでは」といった意見もあった。
この件と比較は出来ないかもしれないが、国会でも、企業からの献金や利益供与、不穏当な発言などで、大臣職の辞任に追い込まれたり、立件されたり経歴詐称で議員辞職といったケースが見られる。
今回の件以前に、昨年の食品偽装の問題もまだ残っている。恐らく、現在の市議会の状況から言って、議員辞職を要求する動きがでるであろう。波乱の平成21年市議会の幕開けである。
１月1２日 青年の主張
今年は、5日が仕事始めであった。年賀交勧会から始まり、出初式、新年会への出席と、毎年恒例の行事が続く。その合間にも、議会で発行している「議会だより」の編集作業も大詰めとなってきた。
そして、昨日の成人式である。数年前まで全国各地での荒れる成人式の模様がテレビで報道されていたが、ここのところ沈静化といったところである。
私が議員となってからの柳川市の成人式は、壇上に上がりこんだりといったことはあったものの、それなりに平穏であったのだが、今年は、開会前から会場である市民会館の駐車場にゴミを撒き散らす輩がいるかと思えば、開会となってからも、嬌声を発したり、集団で囃したり、国歌斉唱に手拍子といった調子で、なんとも落ち着かない雰囲気である。冒頭の市長挨拶も、「1時間の辛抱だから、大人の態度で」と諭す言葉も出る始末である。私の隣に座っているある団体代表の来賓の一人も「今年は特に悪い」と心配顔である。
そして、成人代表の主張となる。名前が呼ばれると、青年が手拍子を受けて、羽織袴に金糸銀糸をまとって登場。登壇の時には、コケテみせるパフォーマンスつきである。彼が、どんな主張をするのか、思いやられてしまう。
話が始まる。「現在、東京で駅員をしているが、三橋にいた時は、自分がいかに悪態をつき、町を愚弄し、目立つ存在であったか。それが、東京では、いかに自分が小さい存在であるのかがわかった」ということである。
さらに、「ある時、電車の中で、柳川に旅行に行ってきたというオバサンたちが、柳川は素晴らしかったと話をしているのを聞き、自分の生まれ育った街は、そんなに素晴らしい街であったのかと気づかされた。その街の出身であることに誇りを持つようになった。そして、駅員として働く中、九州弁で道を聞かれると、親しみを覚え、よりやさしく接したくなる。心を開くと優しく出来る」というこどであった。
そして、「今まで自分を見守ってくれた両親、恩師、近所の方々に感謝したい。社会人として、故郷のために貢献できるような大人になりたい」と結ばれた。
皆、大きな拍手で彼を讃えた。私も感心してしまった。当初見かけで、彼を判断していたことを反省した次第である。
日本の将来を担う若者達であるが、昨今の若者達が起こす凶悪な、病的な事件の数々を耳にすると、誰しもが、不安を覚えていたことも事実であろう。しかし、何時の世も、若者というのものは、やり場のないエネルギーを誰かに向けたくなるものだと思う。その向かうところは大人たちであり、社会である。
その社会に出たとき、自分の存在を、自分というものを見つめたとき、自分を見守ってくれた故郷、学校、近所のおじさんおばさん、そして何より両親の愛情に思い当たるときが来るのだと思う。
自由と権利が大手を振って一人歩きし、自分の欲求達成のためなら、他人の権利どころが、傷つけてしまうということもいとわない風潮である。
しかし、自分は一人でいるのではなく、両親をはじめ多くの人たちと故郷によって育まれてきたことに気づいたとき、初めて自分がどうあるべきなのかに思いが及ぶのだと思う。
この彼の主張に、私たち大人だけだなく、新成人も大きな拍手を送っていた。社会人としての自覚というものを、気づかされたのだと思う。その証拠に、その後は、嬌声も、囃す言葉もなく進んだからである。
などと、講釈をたれてしまったが、自分はと考えると、彼のようにせめて20歳で気づいていたならばと後悔しきりである。
1月2日 謹賀新年
新年明けましておめでとうございます。今年も、宜しくお願いいたします。
昨年は、年末の特集番組で、一年の振り返りのニュースが流れていたが、議会報告22号の冒頭書いたように、一昨年以上にめまぐるしく、事件事故が多い年であり、世界中が激動の波に翻弄された年であったと思う。
秋口以降、アメリカ発の金融危機が世界中を覆い、日本においても中小企業はもとより名だたる企業に至るまで今までにない苦境に立たされている。昨日までの価値観が通じなくなり、経済はおろか、生活そのものが荒波に翻弄されている状況である。非正規労働者の解雇、雇用不安と、年を越すどころが、寝泊りの場にも事欠き、食事の配給に長蛇の列をなす光景が映し出されていたが、年を越しても、そういった報道が続いている。
日本人にとって、新年を迎えるということは、いろいろあった一年であっても、除夜の鐘とともに新たな気分となれる大きな節目である。しかし、今の状況は他人事とは思えない。今の日本を象徴するような状況である。社会が動き出す1月5日以降、どう推移するのだろう。また、それは、私たちの生活はもとより、国政、地方行政への影響も必至と思わねばならない。
柳川市においては、今年、新市となって5年目を迎えるが、これまで続いてきた対立が昨年の12月議会で、この4月の市長選に向けてエスカレートした。そう言いながら私もその議会にいることは事実で、責任を感じなければならないが、この状況を打開するにはどうしたらいいのだろうか。
そんなこと以上に、合併した自治体に突きつけられた課題が山積している。それは、待ったなしである。
4月の市長選挙。今の市長が再任すれば構図は変わらないだろう。かといって、もう一人が市長になれば、どうなるというのだろう。
我が家では年末、大掃除、年賀状書き、新年の準備、そういうなかでの訃報と例年通りの慌しい年の瀬であったが、大晦日の夕方には、家族4人が顔をそろえることができた。紅白を見、除夜の音を聞き、年越しそばをすすり、初詣に行き、皆で新年を迎えることができた。
そして、二日目の今日。嫁さんの実家へのお年始も済ませ、ほっと一服、久しぶりに机に向かいパソコンを開き、私のホームページのアクセス状況を確認する。12月26日の御用納め以降、アクセス数が激減している。
そうであろう。どなたも、新年の準備など一年の締めくくりにお忙しかったに違いない。そして、家族そろっての新年。毎年、どの家庭にも訪れる光景であろう。
一年の間、家族皆が大事無く、そろって正月を迎えることができたことのあり難さを思わずにはいられない。今年も、皆が元気で一年が過ごすことが出来ますように祈るばかりである。
そして、5年目となる柳川市と皆様にとりまして、よき一年となりますよう、飛躍の年となりますようお祈りします。
そして私も、柳川市と次の時代のためにいっそう精進して働いていきたいと思います。
今年も、この「柳川日和」を宜しくお願いいたします。
柳川日和