平成15年度一般会計決算                単位千円
歳入 旧柳川市 旧大和町 旧三橋町 旧1市2町合計
決算額 構成比 決算額 構成比 決算額 構成比 決算額 構成比
地方税 3,063,779 20.6% 1,075,136 15.6% 1,628,194 28.3% 5,767,109 21.0%
地方譲与税 187,148 1.3% 110,529 1.6% 87,092 1.5% 384,769 1.4%
利子割交付金 29,869 0.2% 10,913 0.2% 14,709 0.3% 55,491 0.2%
地方消費税交付金 334,109 2.3% 123,419 1.8% 163,247 2.8% 620,775 2.3%
自動車取得税交付金 110,159 0.7% 65,061 0.9% 51,265 0.9% 226,485 0.8%
地方特例交付金 104,389 0.7% 36,769 0.5% 61,529 1.1% 202,687 0.7%
地方交付税 4,720,402 31.8% 2,208,739 32.1% 1,589,454 27.6% 8,518,595 31.0%
交通安全対策交付金 8,381 0.1% 4,182 0.1% 5,559 0.1% 18,122 0.1%
分担金及び負担金 254,535 1.7% 102,711 1.5% 115,443 2.0% 472,689 1.7%
使用料 151,366 1.0% 40,530 0.6% 26,696 0.5% 218,592 0.8%
手数料 30,374 0.2% 9,410 0.1% 9,291 0.2% 49,075 0.2%
国庫支出金 1,781,037 12.0% 476,512 6.9% 413,370 7.2% 2,670,919 9.7%
県支出金 942,137 6.3% 544,694 7.9% 403,692 7.0% 1,890,523 6.9%
財産収入 31,513 0.2% 7,937 0.1% 13,969 0.2% 53,419 0.2%
寄付金 23,216 0.2% 20 0.0% 7,500 0.1% 9,836 0.0%
繰入金 488,519 3.3% 548,003 8.0% 0 0.0% 1,036,522 3.8%
繰越金 218,708 1.5% 239,301 3.5% 323,310 5.6% 781,319 2.8%
諸収入 186,285 1.3% 159,740 2.3% 109,952 1.9% 455,977 1.7%
地方債 2,204,100 14.8% 1,123,500 16.3% 738,100 12.8% 4,056,700 14.8%
合計 14,849,126 100% 6,888,106 100% 5,762,372 100% 27,499,604 100%
歳出 人件費 2,806,942 19.1% 1,156,251 17.4% 1,076,599 19.3% 5,039,791 18.7%
扶助費 2,045,773 13.9% 691,468 10.4% 746,435 13.4% 3,483,676 12.9%
公債費 1,628,648 11.1% 415,877 6.2% 459,796 8.3% 2,504,321 9.3%
物件費 1,175,664 8.0% 531,010 8.0% 484,131 8.7% 2,191,805 8.1%
維持補修費 143,562 1.0% 43,434 0.7% 34,938 0.6% 221,934 0.8%
補助費等 2,019,956 13.7% 1,137,154 17.1% 974,330 17.5% 4,131,440 15.3%
繰出し金 1,219,230 8.3% 403,961 6.1% 587,565 10.6% 2,210,756 8.2%
積立金 84,344 0.6% 518 0.0% 150,293 2.7% 235,155 0.9%
投資及び出資、貸付金 183,022 1.2% 74,777 1.1% 70,000 1.3% 327,799 1.2%
投資的経費 3,390,896 23.1% 2,203,319 33.1% 982,559 17.7% 6,576,774 24.4%
合計 14,698,037 100% 6,658,769 100% 5,566,646 100% 26,923,452 100%
地方債残高 17,928,225 4,871,354 3,785,066 26,584,645

柳川市の財政状況

 旧1市2町の平成15年度決算状況を見ると、歳入においては純粋な自主財源である地方税は20%前後で、国からの地方交付税、国・県の補助金と地方債に頼った厳しい状況ということが分かります。ご承知のとおりいわゆる「三位一体の改革」が進めれており国の厳しい財政状況により地方交付税と国庫補助金の大幅な削減が進められており、地方への財源移譲は族議員の抵抗により進んでいない中、減少していく限られた財源のなかで無駄な経費を削減し,いかに効率よく市民の付託に応えていくのか今ほとんどの地方都市が直面した問題です。
 また、歳出においては人件費、扶助費、公債費、補助金などの義務的な経費の比率が高く、それに対し投資的経費の率も高そうに見えますがこの中には国・県の補助事業が大幅に含まれており、市町の独自性を持った事業の比率はかなり少ないと考えていいでしょう。
 したがって、一番右の1市2町合計を見ても同様なことが言えます。今回合併して国からの合併特例債をはじめとした優遇措置があるといっても、それも10年間というなかでそういったものを活用しながら、道路をはじめとする基盤整備、各地域に必要な公共施設建設、福祉の充実、大きな課題である環境改善などを図り、新しい柳川市の形を創っていかなくてはなりません。しかし、国からのこれまで同様の援助が見込めない中、いかに経費を削減し、行政機構の効率化を図り、いかに観光・農漁業の産業振興を図り税収を増やすかが大きな課題です。同時に多様化する住民のニーズに応えるだけの行政能力アップも図らなければなりません。それには、行政と議会だけではなく、市民のいろんな形での行政への参加が不可欠だと思います。
 そして、市長・議員の公約と現実の行動をしっかりとした目でチェックすることも重要です。そして、皆さんの声を積極的に発信していただきたいと思います。

用語解説

地方税    住民に対するかけられる地方税で、個人住民税と法人税(前年度の収入に対して一定の税率で徴収)と固定
        資産税などがあります。

地方交付税
         地方自治体は東京都や大企業の工場・原子力発電所などを抱え充分に税収が確保でき、国にあまり頼らなく
        ても行政運営ができるものもあれば、地方都市・山村などのように、大きな税収が見込める大きな工場や産業
        もない地域などは、自らの税収だけでは行政運営ができないところもあります。そうしますと公共事業や様々な
        住民サービスに大きな較差が生じます。そういったものをなくすために、国税である所得税・酒税・諸費税・法人
        税・たばこ税の一部を地方交付税として自治体の財政力などに応じて配分し、全国の自治体の財政力を平準化
        し国民が等しく行政サービスを受けられるようにするものです。
         国は税収の落ち込みとバブル崩壊以降の景気浮揚策として国債(国の借金)を発行しつづけたため、約600兆
        もの借金を抱えており、現在いわゆる三位一体の改革で地方交付税が大幅に減らされ続けています。

国庫支出金・県支出金
         道路整備、河川改修や公共施設建設、農地整備、農漁業施設改良などの事業費の一定割合が国・県から補
        助金として交付するものです。しかし、その事業内容は、国・県が定めた基準で行わなくてはならず、そのため全
        国の公共施設はまったく特徴がなく、どこに行っても金太郎飴みたいにほとんど同じとの批判があり、最近では
        国も基準を緩和し、地方の独自性を尊重するようになりました。同時に、政・官・業の癒着の温床となり、様々な
        贈収賄事件・政治家の腐敗が報じられました。現在、いわゆる三位一体の改革で補助金を減らし、その分の財
        源を地方に移譲しようというきがありますが、族議員の反発でなかなか進んでいません。また、地方自治体も税
        源移譲を受けたとしても、それを様々な事業業を遂行していくだけの能力とバランス感覚が必要となります。

地方債    名前のとおり地方自治体の借金です。これは公共施設建設などの資金調達のために、市の場合県知事の許可
        が必要です。小学校校舎や地域コミュニティセンターなどの大規模事業では、地方都市の財政規模から言って
        も地方債を発行しないと建設ができません。しかし、新柳川市の地方債残高は平成15年度1市2町決算合計で
        約265億あり、ほぼ新市の年間予算と同額となっています。国からの地方交付税で返済費の一部が補填される
        といっても、地方交付税自体が縮小の方向にあり、いかにバランス良く事業計画と財政計画を立て行くのかが重
        要です。

扶助費    社会保障制度の一環として、生活保護や身体障害者に対し生活を維持するための住宅・教育・医療などの扶
         助費。

公債費    地方債の返済費。